ロック系フェスといえば、あくまでもロックを専門とするバンドやアーティストが出演するもので、いわゆるJPOPなどのアイドルたちとは一線を画しているものでした。
しかし、10年ほど前からはアイドルがロック系フェスに出演することが当たり前になっています。
ももいろクローバーZやでんぱ組、BiS に始まって、℃-ute やTOKIO、関ジャニ∞までが出演しています。
なぜ「アウェイ」と思われるロックフェスにアイドルグループが出演するようになったのでしょうか。
それにやはり気になるのは生粋のロックファンの反応。
彼らから見ればアイドルの音楽というのは「甘っちょろい」と思われがち。
一体、どんな気持ちで今のフェスを受け止めているのか調べてみました。
アイドルの楽曲の変化
80年代は、アイドルソングと言えば「ぶりぶり」の可愛らしさを全面に出したものでしたが今やアイドルはロックからEDM、ハードコア、歌謡曲と様々に色を変え、何でも楽曲としてこなしてしまうという特徴があります。
アイドルがロックフェスに出始めたころのBiSは、ノイズ界の超大物バンドである非常階段と「BiS階段」というユニットを組みハードコアでエクストリームなLIVEまで披露しました。
最近では、自分たちで作曲こそしないものの、バンドとしての形態が広く知られているTOKIOはすんなりとロックファンにも受け入れられています。
しかし同じジャニーズ事務所でも、2017年5月に
「TOKYO METROPOLITAN ROCK FESTIVAL」(通称「メトロック」)
に出演した関ジャニ∞は少なからず、参加に批判的な声もあがっていたようです。
普段、TVで見かける彼らはコミカルな部分がクローズアップされているためかもしれないですね。
しかし、実際にフェスに参加した人たちのツイッターからは
「驚いた」
「こいつらアイドルなんかじゃない」
という賞賛の声も上がり、多くのロックファンにも受け入れられるという結果になっています。
アイドルの多様性がロックファンとの垣根を崩している?
アイドルの曲と言えば、「子供だまし」と評価されていた時期も確かにありました。
しかし今は、作曲家やプロデューサーが良い意味で「こだわり」を持たないため、多様化した曲の提供を行うようになっています。
それが、ロックファンにも「聞ける曲」として映っているようです。
しかも「顔だけ」と言われていたアイドルが、その楽曲を完璧なパフォーマンスで披露するので
「最上級のエンターティーメント」
に仕上がります。
その部分からも、「アイドルだから」、「ロックだから」、「ハードコアだから」というジャンルを超えた
「感動」と「楽しさ」が生み出され、「ロックファン」「アイドルファン」という垣根を崩し始めているのかもしれません。
おわりに
アイドルがロック系フェスに参加し始めたことに比べると、アイドルへの風当たりは現在はかなり弱くなってきているようです。
そうはいっても、ファン文化の違いから依然としてアイドルの参加を拒むロックファンやアーティストがいることも事実です。
それぞれの文化を認め合うことで、今後の日本の音楽シーンに
大きな融合と変化がみられるのではないでしょうか。